このドキュメントは下記のユーザー向けに記述されています。
- ゲストOSを作成したいユーザー
- 基本的な操作を知りたいユーザー
ここでは、ゲストにCentOS 6(x86_64)をインストールする場合を例に、3通りのインストール方法を説明します。
######ケース1: 既にインターネットに接続できる環境の場合 (ネットワークインストール)
ホストOSが既にインターネットに繋がっている場合は、外部サーバーにあるカーネルイメージとOSイメージを使用してゲストOSをインストールすることができます。 プロキシサーバー経由でのインストールはできませんので、その場合はFTPサーバーを利用してください。 ホストOSから CentOS 6 のOSイメージのURLに接続できるか確認してください。
URLの例
- http://[Web-site-name]/centos/6/os/x86_64/
- ftp://[FTP-site-name]/Linux/centos/6/os/x86_64/
######ケース2: インターネットに接続できない環境の場合 (ローカルインストール - ISOイメージ)
KVMハイパーバイザーなど完全仮想化環境では、ISO-9660 CD-ROM イメージファイルを使ってインストールすることができます。 イメージファイルがなくDVD-ROMのみお持ちの場合は、 dd コマンドを使ってイメージファイルを生成できます。
# dd if=/dev/cdrom of=/iso/centos6-x86_64.iso
dd: reading `/dev/cdrom': Input/output error
269860+0 records in
269860+0 records out
######ケース3: インターネットに接続できない環境の場合 (ローカルインストール - DVD-ROM)
CentOS 6(x86_64)のDVDを利用してインストールすることができます。 この場合、一時的にホストOS上にFTPサーバーを稼働させる必要がありますので、vsftpd等のFTPサーバーソフトウェアをあらかじめインストールしておきます。 CentOS 6(x86_64)のDVDをドライブに挿入し、下記の方法でOSイメージをホストOSのAnonymousFTPの領域へマウントします。
# rpm -q vsftpd 2>/dev/null || yum -y install vsftpd
# /etc/init.d/vsftpd restart
# mount /dev/cdrom /var/ftp/pub
localhostにAnonymousFTPでログインが可能か確認します。
# ftp localhost
Connected to localhost (127.0.0.1).
220 (vsFTPd 2.2.2)
Name (localhost:root): ftp
331 Please specify the password.
Password:
230 Login successful.
Remote system type is UNIX.
Using binary mode to transfer files.
ftp> quit
ログインができない場合は、SELinuxが有効になっている可能性がありますので、下記の方法で一時的に無効にしてください。
# /usr/sbin/setenforce 0
まず、Karesansuiのトップ画面のホストアイコンをクリックします。 その後、表示される「ゲスト一覧」タブ内の「作成」ボタンをクリックすると「ゲスト作成」画面が表示されます。
入力方法を、前述のインストールのケースごとに示します。
######ケース1: 既にインターネットに接続できる環境の場合 (ネットワークインストール)
下記に示した項目を入力します。
項目名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
カーネルイメージ | カーネルイメージのURL | ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/linux/centos/6/os/x86_64/isolinux/vmlinuz |
Initrdイメージ | InitrdイメージのURL | ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/linux/centos/6/os/x86_64/isolinux/initrd.img |
その他、各項目の入力方法に関しては、項目名の右に表示される「?」をクリックして確認してください。
######ケース2: インターネットに接続できない環境の場合 (ローカルインストール - ISOイメージ)
下記に示した項目を入力します。
項目名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
ISOイメージ | ISOイメージの絶対パス | /iso/centos6-x86_64.img |
その他、各項目の入力方法に関しては、項目名の右に表示される「?」をクリックして確認してください。
######ケース3: インターネットに接続できない環境の場合 (ローカルインストール - DVD-ROM)
下記に示した項目を入力します。
項目名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
カーネルイメージ | カーネルイメージの絶対パス | /var/ftp/pub/isolinux/vmlinuz |
Initrdイメージ | Initrdイメージの絶対パス | /var/ftp/pub/isolinux/initrd.img |
その他、各項目の入力方法に関しては、項目名の右に表示される「?」をクリックして確認してください。
全ての入力が完了したら、「ゲスト作成」画面の最下部にある「作成」ボタンをクリックしてください。 クリック後、ゲスト作成のジョブを受理した旨のメッセージが表示されますので、「閉じる」ボタンで「ゲスト作成」画面を閉じます。
その後表示されるゲスト一覧画面に、今作成したゲストのアイコンが追加されます。
作成されたゲストのアイコンをクリックし、その後表示されるゲスト画面の「コンソール」タブをクリックします。 ゲストのコンソール画面が表示され、コンソール画面において通常の CentOS 6 のOSインストールと同じようにゲスト上にOSをインストールすることができます。
######ケース1: 既にインターネットに接続できる環境の場合 (ネットワークインストール)
ゲストOS(CentOS 6)のインストールにおいて
######1. 「Installation Method」の選択
前述のカーネルイメージで指定したプロトコル(「HTTP」または「FTP」)を選択し、「HTTP」の場合は「HTTP Setup」、「FTP」の場合は「FTP Setup」で接続先を設定してください。
######2 - 1. HTTP経由でのインストール
下記に示した項目を入力します。
項目名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
Web site name | OSイメージを提供するWebサイトのFQDN | mirror.centos.org |
CentOS directory | Webサイト上の各CentOSディレクトリ | /centos/6/os/x86_64/ |
######2 - 2. FTP経由でのインストール
下記に示した項目を入力します。
項目名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
FTP site name | OSイメージを提供するFTPサイトのFQDN | ftp.iij.ad.jp |
CentOS directory | FTPサイト上の各CentOSディレクトリ | /pub/linux/centos/6/os/x86_64/ |
######ケース2: インターネットに接続できない環境の場合 (ローカルインストール - ISOイメージ)
通常のインストールディスクからのインストールと同様にインストールできます。
######ケース3: インターネットに接続できない環境の場合 (ローカルインストール - DVD-ROM)
ゲストOS(CentOS 6)のインストールにおいて
######1. 「Installation Method」の選択
OSインストール時の「Installation Method」の選択では「FTP」を選択します。
######2. FTP経由でのインストール
「FTP Setup」で下記に示した項目を入力します。
項目名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
FTP site name | OSイメージを提供するFTPサイトのFQDN | ホスト自身のIPアドレス(ループバックアドレスはだめ) |
CentOS directory | FTPサイト上の各CentOSディレクトリ | /pub/ |
以上で、チュートリアルは終了です。これで仮想化の基本操作はできるようになるでしょう。
Karesansuiからゲストのシャットダウンを行う場合、あらかじめゲストのOSにおいて電源管理サービス(ACPI イベントデーモン)を有効にしておく必要があります。 CentOS や Red Hat Enterprise Linux の場合は、acpid パッケージをインストールし、ゲスト起動時に acpid が自動起動されるように設定してください。
# rpm -q acpid 2>/dev/null || yum -y install acpid
# /sbin/service haldaemon stop
# /sbin/service acpid restart
# /sbin/chkconfig acpid on
# /sbin/service haldaemon start