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通信制大学で大卒の資格(学士)を取ろう

さっぴー川原 @sapi_kawahara

本章では、大卒の資格(学士)を未収得の人は是非読んで欲しい通信制大学の話です。転職のとき履歴書に最終学歴が大卒と書くことができない、そんな気持ちのまま人生を過ごすのは楽しくないです。色々な理由で大学受験をしなかったけど、仕事に余裕ができて経営の基礎を学びたいとか、社労士について学んだら心理学まで興味を持つようになったとか、大学で学びたいという気持ちになったら通信制大学をチャレンジしてみる価値はあります!

すでに大卒の資格(学士)を修得済みの方は通信制大学に興味ないかもしれませんが、新たな資格取得に通信制大学という選択はどうでしょうか?世の中には色々な職種があります。その職種に携わるためには資格が必要なのもあるでしょう、そのために社会人で仕事をしながら通信制大学で学ぶのも良いでしょう。

社会人に最適な通信制大学

激務な会社ではない限り、仕事で1日8時間以上拘束されることはないですね?食事や睡眠時間などを抜いても残りの8時間ぐらいは自由に使える時間で、その時間を大学の勉強に割り当てることができるのです。大学の勉強というのは学科の「テキストを読む」と「レポートを提出する」と「スクーリング1に参加してテストに合格する」と「卒業課題(修士論文)を書く」の4項目だけです。

テキスト読むとき教養課程(基礎教育科目)は高等学校の延長が多く退屈かもしれませんが、経済学、統計学、心理学など読むとおもしろいのもあるので興味がある科目を選択して履修すると良いです。なお多くの通信制大学では教養課程に「論文の書き方」の科目があり、専門課程では必須となるレポート提出のいろはが学べるので履修することをオススメします。専門課程(専門教育科目)は技術書を読むのと同じ感覚で読むことができます。

教養課程のレポート提出は、高等学校のテストの延長でテキストを読めば簡単に解答できます。専門課程のレポート提出は、高等学校と少々異なりフリーフォーマットで自分の主張を論文形式で書きます。ビジネス文章に慣れてしまっていると最初は違和感を覚えますが大学生気分を味わえるので慣れると良いです。

スクーリングの開催は平日の夕方や土日を使って行うので仕事に影響がないです。興味のある科目はスクーリングで履修すると理解が高まります。平日スクーリングは1科目を何週間に分けてスクーリングを行います。科目によっては予習や宿題が必要になります。土日スクーリングは土日で1科目を一気にやるので効率よく学べます。 通信制大学ではスクーリングに参加するのが義務付けられております。1年間に平均8単位スクーリングで履修する必要があり、これを満たさない場合は卒業要件に達していないとなり卒業することができません。

レポート提出やスクーリングの参加もほぼ終わり、卒業が見えてきたら最後にくるのが卒業課題(修士論文)を書きます。これは指導教員を決めることから始まり、指導教員とともに何について書くのか?どうまとめれば良いかなどをディスカッションをしながら書いていきます。卒業課題(修士論文)が書き上がって提出すれば必要最低単位の修得も終わっているでしょう、あとは卒業を待つだけになります。

費用

費用相場は年間20万円なので4年間で80万円かかる計算になります。これに入学と卒業にかかる諸経費が加わります。費用には教材費などは含まれていますが、スクーリングに参加する交通費などは含まれておりません。この金額は安くないですが、新たな学問を覚えた実績は何事にも変えられないです。そして大卒の資格(学士)と取得することで履歴書を記載するときの気持ちが前向きに変わります。 後の章でも触れますが、履修中は学生と同じ扱いで学割が使えるので、うまく活用できれば気持ち的に費用が少し減った気持ちになります。

推奨しませんが費用が工面できないときはローンを使うのもありでしょう、多くの通信制大学で安い利息でのローンを実施しています。それと親に相談するのもありでしょう、社会人になったといえども子供が大学に行きたいと言ったら嬉しいです。なお筆者は親には相談せず貯蓄したお金で通信制大学を履修し卒業してます。卒業してから親に言ったところ費用面で相談してくれても良かったと言われましたので、今になって思うのは親には通信制大学に行くことを事前相談ぐらいはするべきだったです。

通信制大学の選び方

何がやりたいとか具体的な目標があれば、その目標にあった大学を選びます。無ければ興味があることを深く知りたいという感じで選ぶと良いです。 通信制大学で有名なところを5つ列挙します。

資格取得という観点で選ぶのも良いです。

  • 司法試験:中央大学法学部通信教育課程が最適です。
  • 社労士・精神保健福祉士:放送大学や日本福祉大学通信教育部が最適です。
  • 幼稚園教諭・司書教諭・認定心理士・学芸員:放送大学が最適です。

大学院を目指すという観点では、通信制の大学院はMBA(経営学修士)が多いので経営学部がある大学を選ぶのが最適です。経営学部がある通信制大学は慶應義塾大学通信教育課程や産業能率大学、自由が丘産能短期大学通信教育課程になります。

今の時代はインターネットで調べればいくらでも情報が入りますので興味のある通信制大学のホームページをご覧ください。なお通信制大学では説明会も実施しており、東京都や大阪府のような都市圏以外でも説明会を実施している通信制大学もあるので説明会に行くこともオススメします。

専門卒なら3年次編入できる

大学に行ってなくても、専門学校を卒業した人なら通信制大学によっては大学3年から始めることができます。専門学校の卒業証明書とともに願書を提出するだけで62単位が修得済みとなり、2年間教養課程だらけの1年次と2年次を省略できます。これは短大を卒業をした人も同じで、短大の卒業証明書を提出するだけです。

この3年次編入を知らない人は多いですし、通信制大学に行くまでは筆者も知らなかったです。筆者は団塊ジュニアの時代に近い世代で、この頃は受験戦争の時代で多くの大学が狭き門でした。そのため志望する大学に行けず最終学歴が専門卒という人も多いです。若き日に目指した大学を目指すことは難しいかもしれませんが大卒の資格(学士)を取得することは今からでも遅くはないです。3年次編入なら2年間で卒業ができ費用も40万円程度で済みます。

なお、専門学校や短大を中退した場合は学校によりますが、修得済み科目の証明できる書類があれば、修得した単位数に応じて2年次編入も可能です。

高卒なら短大からという手段もある

通信制大学を4年間続けられないと踏ん切りがつかない人も居るかもしれません。仕事が忙しくなったら休学という手もありますが、高卒なら通信制短大からという手もあります。大学4年を2年ごとに分けることはできませんが、通信制短大をやってから通信制大学に3年次編入して大学を卒業する手もあるのです。これなら飽きっぽい人でもやれそうな気がしませんか? オマケで卒業証書が2枚になります。

もっと楽な通信制大学がありますが筆者はオススメしておりません。大学の名前は出しませんが、その通信制大学は履修する科目ごとに代金を支払う制度となっており、通学する大学よりは費用は安く済みますが通信制大学よりは高くつきます。

勉強のやり方

通信制大学での勉強のやり方を簡単に説明します。 社会人に最適な通信制大学の項目でも書きましたが、まずは「論文の書き方」を勉強しましょう、これを学べば通信制大学の勉強の仕方が感覚的に理解できます。 そして履修計画を建てていきます。履修計画には人それぞれやり方がありますが、一番重要なのはスクーリングの開催日を最重要科目として履修する順番を決めます。興味のある科目ばかりやってしまったりしてスクーリングの日程を考えないで履修してしまうと、スクーリングをしないまま1年次の後半にスクーリングが集中したり、スクーリングが集中するゴールデンウィークとかお盆とかに受けたいスクーリングが無かったり、思いついてスクーリングを受けようと思っても日程が合わないこともあるからです。だから早め早めの履修計画が大事になります。履修計画が決まったら勉強するだけです!頑張りましょう!

テキストを読む

まずは履修する科目のテキストを読み理解することから始まります。テキストをじっくりと読んで理解を深めておきたいです。帰宅してからテキストを読むのは当然ですが、テキストがあればどこでも読めるので、隙間時間を狙って読むのが最適で通勤時間を使うのも良い手です。次にオススメなのは会社での昼休みで、人の目が気になるかもしれませんが理解のある会社なら平日のスクーリングがあることを考慮してくれて残業を入れないように配慮してくれます。

テキストを読むのは平日でレポートは土日に行うなど自分なりの履修パターンを作るのも良いです。まずはテキストを読むことから始めましょう!

レポートを提出する

教養課程のレポートは高等教育のテストと同じです。簡単なので時間かけずにどんどんレポートを出していきましょう!教養課程に時間をかけるなら専門課程に時間を割いていきましょう! ただ、興味がある科目ならばテキストを何度でも読んでみたり、スクーリングがある科目ならスクーリングに参加しましょう。とくに心理学などは学んでみるとおもしろい科目なので食わず嫌いをせずに履修してみるのも良いです。

専門課程のレポートは論文がメインになります。問題文を理解し要点を抑えて論文形式で書いて提出します。論文が得意でない人なら最初は時間がかかりますので、1年次の後半にやるのではなく余裕をもってレポートに挑戦していきましょう。

余談ですがインターネットで検索するとレポートに関して「過去問」が検索できます。これはレポートの解答集みたいなもので、これを使ってレポートを書いて提出することが可能ですが、筆者としてはオススメしておりません。学問を学ぶという姿勢で通信制大学を選んでいるのに「過去問」を使ってカンニングするのはもったいないです。大人なのだから自分の人生なのだから後悔しない気持ちで挑んで欲しいです。

スクーリングに参加する

通信制大学ではスクーリングは必須で、4年間で30単位の受講しなければなりません。スクーリングは大学で開催されるのもありますが、地方在住の人向けとして出張的な感じでスクーリングを開催している大学もあります。そのため通信制大学に興味があるけどスクーリングに行けないと思っている方は、興味のある大学のスクーリング開催場所を確認してみてください。通える範囲の場所でスクーリングが開催しているかもしれません! そう言ってもスクーリングは学校(または開催場所)まで行くのは面倒に感じるかもしれませんが、通信制大学で一番楽しいのはスクーリングです。1人で勉強するのも良いのですが学校に行ってみるのは気分転換になりますし、何よりも大学の校舎を利用することで大学生になった感覚を体験できます。大学によっては土日も食堂が営業していることもあり昼食も楽しいです。 なお、スクーリングに参加するには人数を把握するために参加予約が必要です。予約は早めにしましょう!地方スクーリングは定員が少ないですし、人気のあるスクーリングはすぐに定員になりますので注意が必要です。

スクーリングについて、教養課程は高等学校とあまり変わらない授業内容になることが多いですが、専門課程は実習やグループワーク2などがあります。グループワークは高等学校までの人には新鮮に感じます。この体験していくと自分の主張を上手く伝える技能を身につけることができます。共同作業中には色々な人と会話しますので、そこから知り合いになることもあります。知り合いになると、お互いの履修状況のやり取りやスクーリングのこと、卒業課題(修士論文)の指導教員についての情報交換をするようになります。卒業後も付き合いが続くかもしれません。

開催されことはそんなに多くないですが、アフタースクーリングという善意で学生が企画して開催されます。要するに飲み会ですが参加することをオススメします。通信制大学には老若男女いろいろな人が勉強しており、こういう場では異業種との知り合いが増えます。

地方スクーリングのススメ

大学へ通勤と同じ感じで行けるのに地方スクーリング?疑問に思うかもしれません。通える範囲で履修したいスクーリングが存在しなかったり、突発的な用事が発生し履修計画どおりにスクーリングが受けられないとき地方スクーリングを受講しなければならなくなることがあります。筆者もそういう気持ちでしたが仕事で出張時に地方スクーリングも一緒に受講してみたところ楽しかったので地方スクーリングをオススメします。

地方スクーリングの良い点は以下の3点あります。

  • 少数精鋭の授業になる。
  • 旅行ができる。
  • アフタースクーリングが楽しい。

地方スクーリングで大都市以外は参加人数が少ないです。そのためグループワークではグループ数が減るので行う課題が増えてより勉強になります。筆者の経験では東京開催のスクーリングにおいては時間の都合で課題は1つしかできませんでしたが、新潟開催のスクーリングにおいては課題を3つやりました。

旅行ができると言っても日程的には多くの観光はできませんが、その地域の美味しいものを食べることは可能です。それだけでもちょっとした観光になりますし、出張などをしたことがない人は移動するだけでも、その地域の風景を見るだけでも楽しいです。有給に余裕があれば有給取得して観光に割り当てるのも良いです。

地方スクーリングでは、結構な確率でアフタースクーリングがあり、こちらも参加をオススメします。地方開催のスクーリングは大阪のような大都市なら大学がある地域と同じ規模でスクーリングが開催されますが、そうでない地方だと開催数が少ないので、その地域の人が多く集まるので、さらに多くの異業種の人と出会えます。

[column] 交通費は学割が使えます

地方スクーリングに行くとき、JRグループを使うなら片道101キロ以上の距離があれば学生割引で運賃が2割引になります。参考に東京駅から片道101キロ以上は駅を下記に列挙します。

  • 東海道線は熱海駅
  • 高崎線は倉賀野駅
  • 宇都宮線は雀宮駅
  • 常磐線は友部駅
  • 中央本線は笹子駅

東京駅から横浜駅や千葉駅や大宮駅は割引対象外ですが、ちょっと離れたところでも学割が使えるので手間ですが学割証を発行してもらいましょう!さらに片道601キロ以上(東京駅〜西明石駅)だと適用される往復割引(運賃1割引)も併用可能です。なお、往復割引と学割併用されると3割引と思いがちですが、往復割引が適用されてから学割が適用されるので3割引より少ないです。

[/column] コラム:交通費は学割が使えます

学割について

コラムにて交通費についての学割を記載しましたが他にも学割が使えます。代表的なものとして映画館などのレジャー施設や博物館や美術館があります。コンピューター関連ではソフトウェアの購入においてアカデミック版が購入可能です。それと、いつでもではないですが入学シーズンになるとMacが学割で購入が可能です。

スマートフォンの学割は年齢制限がありますので学割は使えません。海外ソフトウェアのサブスクリプションなどは「.ac.jp」のメールアドレスが使用できないとアカデミック版の購入ができないなどの制限があります。

交通費の補足として、定期券購入時のように1年間有効の学割証は大学側が発行しません。1週間単位での発行になりますので、スクーリングと一緒に観光をするときスクーリングの前か後ろか計画して学生証を発行しましょう。

卒業課題(修士論文)を書く

履修計画どおりに履修が進んできたら、最後は卒業のために卒業課題(修士論文)を書きます。必要最低限の単位を修得しても卒業課題(修士論文)を書いてなければ卒業できません。

卒業課題(修士論文)は指導教員とともに論文を書きます。書く内容は履修する人が決めます。参考資料や文献などは履修する人が探します。そこまで決まればあとは書くだけです。ある程度書いたら指導教員の指示を仰ぎます。そのためにはメールでのやり取りが多いですが、最近はLINEでのやり取りもあるそうです。なお、指導教員は基本的に論文をより良い内容へするための指導だけです。

指導教員について補足としてあげるとして、会社の仕事でもそうですが人との相性があります。合わない指導教員とともに論文を書くのは苦痛になります。そのため指導教員を見極めるためにも、指導教員との相性を確認するために、その指導教員のスクーリングに参加するのが良いです。

まとめ

通信制大学は評価されるか?その答えは通信制大学であろうが大学として評価されます。ちゃんとした会社ならば報告すると給与にも反映されますし、給与の増額を考慮しても通信制大学にお金をかけるメリットがあります。筆者の経験では4年以内で元を取りました。

スクーリングに参加しているとき50代60代の人も多く見かけましたので、通信制大学に年齢制限はないです。勉強したい気持ちがあれば今からでも遅くはないし、すでに大卒の資格(学士)を取得してる人でもさらなる別の勉強をするために通信制大学の選択もありです!

通信制大学でも学生同士の交流はあるんだということも理解していただけたと思います。通信制大学は普通の大学より少しだけルールが違うだけで普通の大学と代わりはないです。この本を読んで興味を持って通信制大学で学んでくれることを筆者は望みます。

Footnotes

  1. 面接授業と呼ぶこともありますがスクーリングと呼ぶことが多いです、実際に大学に行って授業を受けることです。大卒必要単位124単位中30単位がスクーリングで修得できます。(放送授業は法令上10単位に制限されています。)

  2. グループワークは学生数名と一緒に課題に沿って共同作業をします。課題を解決するのではなくグループの仲間で話し合い結論を導き出していきます。結論は発表も行います、グループの代表が1人では発表しても良いですし、グループ仲間全員でプレゼンをしても良いです。