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人生80年、ずっとつきまとうのは心です。仮に貴方がサイボーグになっても、電脳世界に入ったとしてもおそらくずっと心とは、最後まで付き合っていくことでしょう。そんな心についての章です。

この章に書かれてあることは専門家による専門的な指導ではないため、専門家による治療が必要な人はこの本を真に受けず、専門家の診療を受けるべきです。

また、書かれてあるテクニック・TIPSは全て再現性が保証されているわけでもありません。個人によって効果の差違もあるでしょう。

効かないなーと思って根を詰めたり、ご自身を責めると逆効果です。こういうやり方もあるんだなーというニュアンスでご参照ください。

コンフォートゾーン

コンフォートゾーンという単語は、意識高い系ビジネスパーソンがよく使う言葉です。

ゾーン 解説 負荷 成長
コンフォートゾーン 快適な領域 負荷がない〜少ない 成長しづらい
ラーニングゾーン 学習領域 負荷がある〜高い 成長しやすい
パニックゾーン 混乱領域 負荷が高すぎる 成長できない

たとえば、日がなゲームをして受動的メディア(テレビやTwitter)を見てダラダラ過ごしているひとはコンフォートゾーンにいるといえるでしょう。もっとも、コンフォートゾーンにいるからといって、ストレスが無いとは限りません。

意識高いピープルであればラーニングゾーンにいることでしょう。適度に負荷があり、成長のチャンスを常にうかがってる状態です。でも負荷を掛けすぎるとパニックゾーンに突入です。

パニックゾーンは、名前から分かるとおり、負荷が高すぎて混乱している状態です。この状態では成長どころではありません。さまざまな混乱から身を守る為にさまざまな脳の防衛機構がフル稼働するでしょう。メンタルに取り返しの付かない故障を抱えてしまうこともあるでしょう。

これの難しいところは、自分がコンフォートゾーンにいるのか?ラーニングゾーンにいるのか?という判定がしづらいところにあります。そもそもあなたの全部がコンフォートな状態なのか?ある部分ではコンフォートだけど、ある部分はパニックかもしれません。

メンタルを壊すタイプの人間は、自己認識が壊れていることが多いです。パニック状態なのにコンフォートもしくはラーニングだと誤認することも多いです。むしろ、自分の成長が足りないと認識していまって、もっとパニックに突き進むというケースも決して珍しくありません。

[column] 意識の高さ・低さ

さて、本文の中では意識高い系を揶揄するような書き方をしましたが、意識が高い・低いみたいなことは、じつのところは曖昧で無価値な概念です。意識高い仲間を探したいとかそういう目的くらいにしか使えない程度のものです。

頑張る、頑張らない、成長したい、したくない、自分がどうしたいかを自分に問いかけたり、自分の思うままに行動してみることはいいことです。

でも、それを他人に押しつけることがもっとも醜悪で恥ずべき行為です。

頑張っても頑張らなくても、その人が選択したその人のことであり、それは無条件でもっとも尊いことです。

意識高い系が嫌われがちなのは、意識が高い・低いという曖昧な概念によるものではありません。他人に押しつけるからです。

同様に意識低い系を押しつけるのも決して好ましい行為ではありません。

[/column]

負荷

さて、負荷という単語を持ち出しました。

  • 仕事の量
  • マルチタスキング(同時に考えないといけないこと)
  • 脳内のみで考えていること
  • 結論を出してないこと、腹落ちしてないこと(脳は忘れないように警告を出し続けます)
  • その日その日の決断の回数
  • 人間関係
  • お金や健康その他の悩み

これらは全て負荷です。

仕事の量

負荷を下げる方法で一番確実な方法は仕事をしないことです。一気に負荷が下がるはずです。仕事の量を減らす、仕事を変えるという方法もあるでしょう。

マルチタスキング

マルチタスキングになれている人はいますが、基本的に人間の脳はマルチタスキングには向いていません。脳が特殊な進化を遂げた新人類でもなければシングルタスクを切り替えるという擬似マルチタスクを行ってるか、同時にやっていることを、脳に負荷のかからないものに抑えているだけです。

たとえば、音楽を聴きながら仕事をしているとして、音楽を聞くことに集中してしまうと仕事にはならないはずです。もしその状態で仕事もできてるのであれば、その仕事は脳に負荷の少ない単純作業ということです。

そのため、同時にやらないといけないこと、考えないといけないことを減らせば、負荷は下がります。

エンジニアのような集中力の大切な職種の場合は、どうにかして割り込みをなくすようにしましょう。割り込みは集中に対して極度の負荷をかけてしまう最悪なマルチタスクです。

集中したいなら、最低でも、TwitterやSlackを立ち上げてるなら閉じましょう。音楽なんかも、場合によっては集中を阻害します。特に歌詞のある歌はその傾向が強いため、インスト系(インストゥルメンタル)というような歌詞のない曲や、自分の知らない言語の曲を聴くという方法があります。

脳内のみで考えていること、結論を出してないこと、腹落ちしてないこと

脳内のみで考えていることも、大きな負荷です。メモリが16GBのPCで、Chromeに14GB位メモリを食われてるようなものです。Chromeの場合はどうしようもありませんが、脳内に関しては対策方法があります。それは、紙やテキストファイルに、文章や絵などで描き出すというものです。脳からアウトソーシングするのです。

結論を出してないこと、腹落ちしてないことも同様です。結論をだしてないということを書きだしてみましょう。腹落ち・腑に落ちてないという、今の感情やその他のモヤモヤを書きだしてみましょう。

ちなみに書き出すときは体裁・フォーマットそういったことを一切無視しましょう。同時に複数のことをやるのは負荷の増大につながり失敗のもとです。何も考えずに自分が一番楽なやりかたではきだすとよいでしょう。

筆者のお奨めは自然言語で喋るように文章として書き連ねることです。「じぶんはいますごく混乱してる。なにも手に付かないし困ってる」のような形です。

その日その日の決断の回数

決断疲れ1という現象があります。すごく簡単に説明すると人間が朝起きた時は決断という行為をするためのエネルギーは十分あるが、一日を過ごしていくとどんどんそのエネルギーが減っていくというものです。

そのため、朝のウチに集中した方が良い決断ができるということになります。筆者のお奨めは、朝は受動的メディアには触れないようにしましょう。その日の決断力・エネルギーが無駄に消耗します。

決断力を使い切った状態で決断をしなくて済むようなライフサイクルを構築できれば、負荷を減らすことができます。

無駄な決断をしないために、その日着る服を固定するというようなテクニックもあります。

人間関係

筆者もいい方法を聞きたいです。

お金や健康その他の悩み

筆者も…。

ここらへんはある意味どうしようもないので、余裕があるときに、お金や健康を整えられるようにする、くらいしか対処方法はありません。

自分の今に集中することの重要性

我々人類には時を操るような能力を持ち合わせていません。そのため、時間に関しては次の2つの制約があります。

  • 過去を変えられない
  • 未来は思いどおりにはいかない

タイムマシンを所持してるわけでもないので、過去を変えることはできませんよね。

そして未来は、さまざまな変数が関わるため、決して思いどおりにはいきません。

過去を変えられない

過去について必要以上に考えることは無益であり、むしろ有害であるといえます。過去について考えても、何も変化が生じないからです。

過去のなかから何かを学び取ることはできるかもしれませんが、時間が経てば立つほど取り出せる情報量は損失しますし、過去は所詮「たまたまそういう経験をした」という程度のものです。

未来は思いどおりにはいかない

明日、Googleからとても画期的な技術やサービスが発表されるかもしれません。あなたが未来に関しておもったことは、明日やあさっていきなり覆されているかもしれません。

そのため、未来について考えることは、極めて非効率であるという認識はもっておいた方がよいでしょう。

さて、過去を変えられない、未来は思いどおりに行かないのであれば、一番効果的なことは、今に集中するということです。

それは休息を取ることかもしれませんし、技術的調査かもしれませんし、ポストモーテム2の作成かもしれませんし、ゲームかもしれません。

他人は変えられない、自分の今しか変えられない

さて、時間ほど確固とした法則というものではありませんが、もう1つ干渉が困難なものが他人です。他人を変えることは事実上困難です。

こういうと「僕はこの言葉で他人を変えた」という経験を思い浮かべるかもしれませんが、99.999999%それは元からその人に変わる余地があっただけです。

たとえば、何か改善をしたいと考えたとして、他の人もそう思うかどうかは、その人次第です。

前述の時間のはなしのように、過去や未来について考えるよりも今に集中する方が効率的・効果的であるという話とつながります。

他人をどうこうするより、今の自分をどう変えるかに集中する方が効果的・効率的です。

コントロール可能な領域

心の健康を考える上で、コントロール可能な領域という概念は割と大切です。コントロール可能なものに対しては悩もうが考えようが何かしら価値がありますが、コントロール不能なものに対して、悩んだり考えたりしても無駄でしかありません。

コントロール不能なものの代表例は前述の時間、他人の心があります。

コントロールがある程度までは可能なものは、健康だったり、お金だったりでしょうか。ただ、不意の支出、不意の病気などといったものも当然あります。

基本的にはコントロール可能だけど、パズルでいうピースが足りてない状態のように、何かが足りていなくてコントロールから離れているという状態もあります。これには知識や経験が足りない、お金が足りないというケースが多く該当するでしょう。

さて、日々の脳みそを極力、コントロール可能な領域に限定することができれば、心の健康を保ちやすいものです。

コントロール不能な領域について考え出したとき、それを自覚できることが望ましいです。考えても仕方ないのですから。

一番わかりやすいのは思考がループしてる時でしょうか。

ループしてるということは、何かが足りてなくてコントロール不可能に陥ってるか、そもそもコントロールが不可能なことについて考えている状態です。

大切なことは、自覚できるということです。「あ、今思考がループしてた」ということに一度でも気づけたら、あとはそれをなるべく強めていきましょう。これは、慣れです。

心を整える技術

さて、心とは何でしょうか?魂の存在や心のもっと深奥が科学的に証明されてないため、脳神経系の挙動であると解釈するのが妥当でしょう。

心に大きく影響を与える要素として、脳内物質(ホルモンなど)や腸の働き(腸は第二の脳といわれているくらい脳に影響を与えます)、自律神経などがあります。

言い換えましょう。心は体そのものです。

そのため、心を整える技術とは、体を整えるということなのです。

心を保つ技術

ひとは自身に急激な変化が生じた場合、大喜びしたり、落ち込んだりと様々な感情が沸き起こります。これは人間として当たり前に起こるものです。しかし、時には我慢したり抑えなければならない時もあります。そうして一旦押し込めた感情がストレスとなり体に不調を起こすことも。「病は気から」というくらい、心と病気とは密接な関係があります。その前に、セルフケアとしてできることを紹介します。

吐き出す先をつくる

自分の気持ちを受け止める場所なので、本音で語りましょう。悪口も愚痴もありとします。 単独の場合は独り言を思いきり言う。紙に書きなぐる。場所は選びますが大声で歌うとか叫ぶのも効果があります。スッキリするまで行うことが大切です。

誰かに聞いてもらう場合は、否定せず聞き、共感してくれる人というのが前提になりますが、あまりに危険な状態にあるときは気づいてくれるというメリットがあります。

身体操作

  1. 姿勢を整える

立った時、両方の足に同じバランスで体重をのせてみましょう。足から頭の上まで(座っている場合は腰から頭の上まで)1本の糸で吊られているイメージで立ってみます。猫背や前かがみになっていることが多い人は、特に骨盤と肩の位置を意識しましょう。 左右の肩を上にあげてから後ろに回すと胸を開いた状態になり、呼吸がしやすい状態になります。

  1. 呼吸

意識を切り替えるために一番簡単なのは、深呼吸をすることです。無意識の場合は呼吸が浅くなることが多いので、「思いきり吐けるだけ吐く」をことを意識します。苦しくなると自動的に息を吸おうとするので、こちらはあまり意識しなくても大丈夫。 自律神経を整えるためには腹式呼吸がお勧めです。胸をなるべく動かさず、おなかを膨らませたりひっこめたりを繰り返します。おなか以外はリラックスした状態でゆっくり呼吸します。

  1. 瞑想

なるべく静かな部屋で、自分の心に意識を向けながらゆっくりした呼吸を繰り返します。ヨガなどで行っているように、横たわった状態で目をつぶって行う、毛布などにくるまれた状態でもよいです。おだやかな心をとり戻すイメージで行うとよいでしょう。

  1. 体操

動かせる範囲で、なるべく大きな筋肉のある部分(脚、胸、背中)を動かしましょう。血流がよくなり、体が温まりリフレッシュできます。ラジオ体操第一くらいの時間できるとなおよいです。

  1. 散歩

まとまった時間がある場合は、散歩がおすすめです。歩くことにより体を動かし、普段と違うものを見ることができます。意識が何かに凝り固まったときなど、散歩をすることにより新たなアイディアが沸くといった効果も期待できます。

自律神経

自律神経は、人間(に限らず動物)の体を保つためにフルオートで動作してくれる脳と神経の回路です。人間はわざわざ心臓の鼓動を操作しませんよね?

さて、自律神経には交感神経と副交感神経があります。

  • 交感神経(戦闘状態を作り出す。緊張状態、やる気)
  • 副交感神経(リラックス状態を作り出す。弛緩状態、休息)

これらのバランスが適切に取れている時がもっとも人間にとって好ましい状態です。

ところが、現代では交感神経優位が続きすぎることがあります。もしあなたが長期の休みに入るタイミングやその直前で風邪を引きがち、体調を壊しがちなら、交感神経優位が続きすぎてる人の典型的症状なので、対策した方がいいかもしれません。

呼吸

自律神経は基本的にはフルオートなんですが、一部干渉可能なものがあります。代表例は呼吸です。人間は呼吸について一切考えていなくても自動的に呼吸をしていますが、意識で呼吸を完全に制御可能です。

たとえば、アメリカ海軍特殊部隊も採用している Box Breathingというテクニックがあります。

  1. 4秒で息を吸う
  2. 4秒その状態を維持する
  3. 4秒で息を吐く
  4. 4秒その状態を維持する

これはかなりお手軽な呼吸テクニックです。

他にも、

  1. 6秒で息を吸う
  2. 6秒その状態を維持する
  3. 6秒で息を吐く

というものもありますし、もっと長い時間を掛ける呼吸法もあります。

さて、これらのテクニックで重要なことは、「その状態を維持する」のときに、喉を閉じないことです。喉は完全に開いた状態で状態を維持しましょう。コツをつかむまでは難しいかもしれませんが、息を吸うのと息を吐くのを釣り合わせれば、状態を維持できます。

おへその下あたりを意識する、鼻で息を吸って、口で息を吐くなどというコツもありますが、そこらへんは慣れてきたらチャレンジしてみるといいでしょう。

こういった呼吸法もそうですが、定期的に深呼吸もしましょう。肺に入る限りの空気を入れて、肺から出せる限りの空気を出すというのを何回かやりましょう。

メンタルが崩れるような人は呼吸の仕方を忘れがちで、浅い呼吸をしてしまいます。意識して深い呼吸をすることで、自律神経を少しでもリセットできます。

マインドフルネス

瞑想はインドの仏教なりで生まれた宗教的行為であり、奥義のような何かですが、マインドフルネスという、瞑想から宗教的要素を排除して、危険性3を減らした上で、再現性を上げて、テクニックに落とし込んだものがあります。

マインドフルネスは「今に集中する」というテクニックでもあります。

ボディスキャン瞑想

別にルールが決まってるわけでもないので、自分にあったやり方、時間で全然かまいません。

ひとまずは、僕がやってるやり方を解説します。参考にしているのは、からっぽ!10分間瞑想が忙しいココロを楽にする という本でのやり方です。

似たようなメソッドとして自律訓練法というものがありますが、人によるかもしれませんがこちらの方が簡単だと思います。

体をスキャンする

まず、目を閉じてゆったりした姿勢を取ります。寝ててもいいし、座禅スタイルでもいいし、椅子にもたれかかって足を伸ばしててもいいでしょう。

SF映画とかでレーザーっぽいやつが頭からつま先までスキャンするようなシーンあるじゃないですか。赤いビームっぽいヤツが体を輪切り的にスキャンするアレです。アレ。

体の全体を頭から順にスキャンするイメージで、体のさまざまな感覚を読み取りましょう。

たとえば、頭がなんか重い感じだなーとか、首回りに凝りがあるなーとか、心臓どきどきしてるなーとか、床暖房でお尻が温かいなーでもなんでもいいです。

一番最初は雑に10秒くらいでスキャンします。

より精密に

二回目は、より精密にスキャンをします。一回目のスキャンで少しモードに入ってるので、二回目はよりじっくりとスキャンします。

髪の毛が皮膚に触れる感覚、閉じた目のまぶた周りの触覚、メガネをかけてる人ならメガネが顔にかかってる感覚、鼻から出入りする空気、耳の周囲、首筋など、感じ取れる限りの感覚を感じ取ってください。

喉や肺を通る空気、手の指の一本ずつそれぞれの感覚、呼吸するときに動く胸・おなか、お尻や足と床の接地面のかんかく、股関節、足、足先の指のそれぞれ一本ずつ。

おなかとか特に緊張して、力が入っていませんか?肩、胸、おなかに力が入ってるのか?入ってないのかを感じ取り、なるべく緩めてみましょう。

もっともっと精密に

別に回数は特に重要な話ではなくて、単にこれをやり続けると脱力してリラックスできるので、回数重ねた方がやりやすいってだけなのですが、さらに精密に体の力具合や感覚をスキャンできます。

たとえば頭が痛い、重い感じがするなら、それはどんな形・大きさなのか、どういう性質のモノか、客観的に観察してみてください。続けていくと、それが曖昧というかよくわからない感じになると思います(ならなかったら頭痛薬か病院の出番かもしれません)。

精密に客観的な観察を繰り返すと、いつの間にかそういった感覚のほとんどは消えたりします。そうしたら次です。首、肩がこってる、そのこりはどんな形で…というのを客観的に観察し続けます。

ある一点に集中するのもいいです。首の右側のここらへんみたいな感じでひたすら観察するのです。

あるいはその逆で、肩と肩甲骨、肩と胸、肩と胸と肩甲骨みたいな広い範囲で感じ取れるものがあるか観察します。あと背中も。

緊張を続けてる人というのは、大体首や肩、肩甲骨・胸のあたりが、力が入ってガチガチになっています。上半身のいっぱいある筋肉の集合体がみっちりしてる感じから、それらがほぐれてくるような感覚を得られると、いい感じに脱力できているでしょう。

いわゆる肩の力を抜くですね。

これを同様に足先に至るまでやってみましょう。

体全身の力を抜く

ボディスキャンをしながら体の一切合切から力を抜いてみましょう。もしかしたら座り方によっては体を支える力が必要な場合もあるでしょう。首の前後、つまり頭をどこらへんにもってくれば一番楽なのか?場合によっては一度少しだけ頭を動かして、より楽な場所を探してみてもいいです。

足の置き方、背筋、首・頭、これらのバランスがいい感じになるように調整できれば、より体全体の力を抜けます。最小限の筋肉で、自分がバランスをとれる姿勢を探求してみるのも面白いです。

あれこれ書いたけどお好みで

お好みで大丈夫です。必要なのは体の感覚に集中するということだけです。やりやすい方法を見つければ大丈夫です。

一番お手軽な方法は、たぶん呼吸を意識することです。呼吸を意識するだけでもじつは全く違うのです。

かける時間に関しても、1分で済ませても、3分、5分、10分、あるいは脱力しきるまでやってもいいです。

忙しい日々が続きすぎてるなーと思ったら、じっくり取りかかるといいですし、一瞬で少しだけ休みたいなら短い時間でもかまいません。

ちなみにこれ、歩きながらでもできます。眼をつぶるともちろん危ないのでちゃんと見て安全は確保しながらですが、手の動かし方、足の動かし方、体幹、それらにどれだけ力が入っているかなどを感じ取るのです。気持ちよく散歩できるはずです。もちろん交通事故にならないように気をつけてです。

電車で移動中、立ってる状態でもかまいません。体にかかるGや筋肉の緊張具合、バランスを一番楽にとれるスタイルを探してみましょう。

睡眠

いやなことがあったら寝るのが一番!というのはよく言われるところですが、なかなか寝付けないこともあります。寝なければ!と思うと逆に目がさえてしまうことも。良い眠りにつけるために以下を心がけると比較的よく眠れます。一番良いのは自分が「リラックス」できる環境にすることです。

・肌触りのいい、体を締め付けないものを身に着ける、寝具に使う ・明るすぎず暗すぎない環境にする ・休む前に軽く体を動かす ・ぬるめのお風呂に入る

暖める

人間は恒温動物なので体内ではある程度の温度が保たれているのですが、生物なので寒くなると活動が低下します。それとともに元気がなくなったり動けなくなるといった弊害が出てきます。体を暖めることにより、生命維持を優先していた体の機能が筋肉を活動を解放されるイメージです。 外から暖める場合は衣服やカイロ・暖房機などで調節、中から暖める場合は温かい温度の食事 、特に体の活動を活発にする栄養素を含むものをとるようにします。

栄養をとる

健康のため食事は栄養のバランスよくというのが理想ですが、特にストレスに対して有用と言われている栄養素を含んだものを摂ることを心がけましょう。

  1. たんぱく質
  2. ビタミン(A,B1,B2,B6,Cなど)
  3. ミネラル(カルシウム、マグネシウムなど)

[column] ジョギングのすすめ

心を保つ技術としてジョギングが非常に有効かと思います。瞑想がまさにそうだと思いますが、心がざわざわしているときや、モヤモヤしたものがあるときはそれらがなくなるようなことをすると効果的だと思います。ジョギングは徐々にしんどくなってくると走るのがツライ・・・という考えしか思い浮かばず、強制的に頭の中がからっぽになる感じがします。体力の限界まで走ってシャワーを浴びると、スッキリすることが多いです。またジョギング中にどうしても頭から離れないものがあれば、それがあなたにとって非常に大事であると言えます。走るときはちゃんとしたランニングシューズを履いたり、準備運動が非常に大事なのですが、一度ジョギングしてみることをおすすめします。一式揃えてもジムに通うよりは安くなると思います。

[/column]

やらずに後悔するより、やって反省しよう

あの時、これをやっていればなー、という後悔はありませんか?後悔は大抵どんどん大きくなります。そしてそれを消すことはほとんどの場合不可能です。時間は一方向にしか流れないため、その時に戻ってやり直すことはできません。やらなくて何も得られなかった時、それは一生残る心のトゲになります。

例えば、あの時好きだった子にちゃんと思いを伝えておけば・・・、行きたかったライブに行けばよかった・・・、欲しかった限定版のXXを買っておけば・・・、友人との旅行いっておけば・・・、などなど。その大きさは様々ですが、そういった後悔のひとつやふたつ、ありますよね?

なおこの問題は「行動した結果どうだったか」とは無関係です。どうしても行きたかったライブが実はつまらなかった、限定版を買ったけど出来はいまいちだった、告白したけどフラれた、など、行動していたからといってポジティブな結果が得られたかというと必ずしもそうではないでしょう。それでも良いのです。

フラッシュバックを無くす技術

皆さんは過去の嫌な記憶がフラッシュバックすることはありませんか?ここで言うフラッシュバックとは過去の失敗だったり恥ずかしい記憶だったり嫌な思い出だったりが前触れなく思い起こされて、もう過去の話なのにその時のネガティブな感情をいま追体験してしまうような事を指します。こうなるといまやろうと思っていたことや実際にやっていたことに悪影響を及ぼします。誰だって嫌な思いはしたくないですし、嫌な思いをしてしまったらそれに意識を取られて目の前のことに集中できなくなってしまいます。この現象はトラウマという表現が近いと思います。あと落ち込んでいる、メンタルをやられている(やっている)というという表現をする人の中には、これに囚われている人もいるのではないでしょうか?

意外に多い?フラッシュバックに悩む人

実はこの現象に悩まされている人は少なくないと思っています。しかし、外からは分かりにくいことでもあるため、自分だけ…と思っている人も多いのではないでしょうか。特に普段は普通に振る舞っている人ほどこれに悩まされていたりするものです。実際著者も長年悩まされていましたが、最近になって付き合い方がわかってきたのでそれをお伝えしたいと思います。なお、記載している内容は拙著「はじめる技術 つづける技術」にも同じようなことを書いています。興味があればぜひ。

フラッシュバックは無くせない

著者がフラッシュバックを感じるようになったのは、15歳くらいの頃でした。友人から「気が弱いよね」と言われ、それまであまり物事をあまり深く考えない性格(能天気)だった著者は衝撃を受けました。またその頃に引っ越しをしたのですが、引っ越し先も学校に馴染めず虐められていたのも原因としてあるかと思います。自分が知らなかった気弱な自分や、周りに受け入れられない自分を意識したことで、考え込むことが多くなったと思います。それくらいから虐められていた時のこと、もっと昔の失敗、嫌な思いをさせてしまったのではないか?ということを思い出しては悶絶するようになりました(これを書いている今も当時を思い出してフラッシュバックしています)

15年経っても無くせない

それから15年ほど経っても、フラッシュバックは無くなりませんでした。何かを始めようとしたり続けようとすると過去の失敗がフラッシュバックし、またダメなんじゃないか?どうせ上手くいかないと思ってしまう。周りの人はそんなそ素振りを見せずに、ちゃんと始めて結果を出している。なんて自分はダメなんだ、自分には欠陥があるんだと。親や友人には相談したり愚痴を言ったりしたことがあったと思います。気にしなければ良い、そう思わなければ良いと言われた気がします。そうでなければツライよね、という同意の言葉だったでしょうか。結局フラッシュバックは無くせず、有効な対処も分からずその影に怯えながら何かこれを無くす方法があるに違いないとどこかにあるその方法を探しながら、前触れなく起こるフラッシュバックに怯えながら生きてきました。

現在(いま)に集中し自分で選ぶ

15年ほど経っても筆者はフラッシュバックをなくすことはできませんでした。そんな時に出会った本がアドラー心理学の本、嫌われる勇気でした。嫌われる勇気に書かれていた「変わらないことを選択しているのはあなた」と「いま、ここを真剣に生きる」という言葉がフラッシュバックと付き合う鍵でした。なお本章では筆者がこの言葉を見てどう思ったかをお伝えしたいので、ここではアドラー心理学について詳細は述べません。興味があればぜひ書籍をご覧ください。

「変わらないことを選択しているのはあなた」と「いま、ここを真剣に生きる」

「変わらないことを選択しているのはあなた」という話を読んだ時、フラッシュバックをなくす方法を探しているのも自分で選んだことだと気づきました。たとえそうするしなかったにしても、そう選んだのは自分なのです。

そして「いま、ここを真剣に生きる」を読んだ時に、フラッシュバックをなくす方法を探すのが自分にとって真剣に生きることなのか?と自問自答しました。冷静に考えればフラッシュバックをなくす方法があるかどうか誰も保証していません。そう、その保証は自分でさえもしていないのです。あるかどうかも考えてない、あると信じてもいないかもしれないものをいつのまにか探していた自分に気づきました。

真剣に生きること

それでは筆者にとって真剣に生きるとはなんのでしょうか?やりたいことをやることです。フラッシュバックをなくす方法を探すのはやりたいと言えばやりたいですが、それよりももっとやりたいことがたくさんあります。そしてそちらをやっている時の方が真剣に生きていると胸を張って言えると思いました。もしそのもっとやりたいことを自分で選んでできれば、フラッシュバックは無くせなくてもその悩みからは解放されたり、楽になれると思いました。

そこから、現在に集中しやるべきと思うことを選ぶ努力を可能な限り始めました。

可能な限り努力する

努力すると言ったり書いたりすると「自分には無理だ」と反応される方がいます。なぜ無理なのか?と問うと続かない、続けられない、できない時があるという答えをよく聞きます。でもできないからこそ、努力するのではないでしょうか?

これは努力に対して完璧さを求めすぎている人が多いのかなと思っています。つまり努力すると決めたら、一度も失敗せずにやり遂げられたら成功なのだと思ってしまう。一度でも失敗したらそれは失敗なのだと思ってしまう。でも、そもそも完璧にできるのなら、努力するなんて言葉は不要ではないでしょうか?もちろん努力することが嫌だったり意味がないと思うなら、やらなくて良いのです。その場合はこれまで通りフラッシュバックに怯えながら、あるかも分からない、信じてもいないかもしれないフラッシュバックをなくす方法を探していくだけの毎日です。今までと何も変わりません。

努力はツライ

とはいえ、努力するのツライですよね。

可能な限り努力するとお伝えしたのはそういう思いがあるからです。頑張りたいと思う自分、できない、疲れた、微妙に体調が悪い、やる気が出ない、フラッシュバックに負けた自分。すべて自分なのです。だから可能な限り努力する。できない時はやらない。できない時を不当に貶めないようにしてみる。できた時はできたことを意識するようにしてみる。できたらやるくらいで良いのです。先に述べたようにできなかったとしても今までの生活が待ってるだけです。別に怒られるわけでも、お金が減るわけではありません。もっと気楽に行っても大丈夫なのです。上手くいけば儲け物、上手くいったらラッキーなのです。ローリスクハイリターン。

試す価値はあると思いませんか?

試して失敗したくない、失敗が怖い

新たに何かをやってみて失敗だと思った時のストレスが嫌、それが怖いという人もいるでしょう。それをリスクに感じてしまう人もいるかと思います。だったらやらない方がマシと。それを選択しているのはあなたなので、それはそれで良いと思います。

自分の感情に従うのは悪いことではありません。とても自然なことですし、恐怖を我慢するのはストレスを感じますし、誰もがいつでもできることではありません。できない時はやらないという選択をするのもありでしょう。

いつでも人は自分で選ぶことができます。たとえフラッシュバックが辛くてそうせざるを得ないと思っていても、努力して失敗するのが怖いと思っていても、それを選んだとのはあなたという事実は変わりません。それに良い悪いは無いのです。ただ選んだという事実があるだけです。だからこそ、人は時に感情に従うことを選び、恐怖から逃げることを選び、努力することを選ぶことができます。してしまったではなく、したのです。そうでなければ、希望はありません。

もしいつか、失敗よりもフラッシュバックが嫌になったらこんな方法があったなぁと思い返していただければ幸いです。

できる人の理論

それはできる人の理論だよね、という意見を聞くことがあります。筆者もそう思うことがあります。これはできない(と思っている人)から見て、できている人がやっていることは「できる人だから」やれていることだと思ってしまうことです。斜に構える、生存バイアスなどが近いニュアンスかもしれません。できない(と思っている)人にとっては、できる人だからできること、できない自分には関係ないこと、というふうに思ってしまうわけです。

できる人の理論は根本は完璧主義?

しかし、努力するかしないかという次元の理論であればできるかどうかは関係ありません。しかもうまく行かないときも織り込み済みの話であり、誰も完璧さは求めていないのです。できる人のための理論だから、できない自分は関係ないではないのです。すこしずつできるようになっていくために、努力していく考え方です。いまできるかできないかは関係ありません。

人によっては厳しいことを言っているように聞こえるでしょう。まさにできる人の理論だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。そう思うのであればやらなくてもよいのです。誰も強制はしていません。しかし、筆者がこの努力を始めた当初は同じくできない人でした。そして今も完璧にはできていません。それでもフラッシュバックとうまく付き合えていると思えています。

少しでも可能性を感じられたら、ぜひ試してみることをおすすめします。

銀の弾丸はないがうまく付き合う

何か一つの手段で厄介な事象を片付ける比喩として、銀の弾丸が用いられます。強力な存在であるオオカミ男やバンパイアにも効果的であるというところからきていますが、フラッシュバックには銀の弾丸はなさそうです。

しかし、うまく付き合うことはでき、そのためのポイントは存在します。この章を書いた筆者は今もフラッシュバックに悩んでいるのですが、この本の編集長のその話をしたら「FORTEさんも悩んでたんだ!」と言われました。フラッシュバックは他人に伝わりづらいことではありますが、他人気付かれないほどの影響度でうまく付き合っていくことはできている様です。そのポイントとは以下の通りです。

  • いまやるべき事を自分で選ぶ努力をする
  • できない時がある事も受け入れる

努力は疲れや体調によってできない時があります。フラッシュバックによって愚痴ってしまったり、寝込んでしまったり、やる気が出なくてぼーっとSNSや動画を見ていたら終わってしまう1日があるかもしれません。それを選んでいるのは自分なのですが、楽しているのでは無くて体調やメンタルを優先しているだけなのだと思います。フラッシュバックした時に、自分で選べるんだからちょっとでもやって見るか?と思えたら儲け物です。やれそうならやって見る、できないならやらない、やってみても無理そうなら中止するという選択肢が生まれます。

あとはこれを繰り返していけばフラッシュバックとうまく付き合える可能性が出てきます。少なくとも無策で怯えながら過ごすよりも、可能性はあげられるでしょう。

今日も生きる

人は生きるのに不必要なほど、悩みを抱えます。数多くも失敗もしますし、嫌な思いもたくさんします。それが不可避であるのならば、その人にあった良い方法があると思っています。この記事があなたの役に立てば幸いですし、そうでなければ役に立たない理由を感想としてSNSにアップしたり、自分は違うやり方をしていると発信していただけると幸いです。良ければこの本の執筆に参加していただけると、たくさんのフラッシュバックに悩んでいる人が喜びます。あまり深刻にならず、たくさんの人の知見を活用して、今日も生きていきましょう。

過去を整理して考える

過去に大きな失敗をしてしまい、心に傷を負ってしまった。 そういった経験は非常に辛いものですし、簡単に傷が癒えるものではないと思います。

しかし、過去を乗り越えて今を生きようと考えているのであれば、過去を整理するということを試してみてください。

事実と感情を切り分ける

過去を乗り越えるために大切なことは、過去に発生した出来事を感情と事実に分けることです。

あなたの過去に起きた出来事に対する感情は、大切なものなので自分のなかでしっかりと向き合ってください。 そのときの感情は今のあなたのアイデンティティを形成するものになっています。

感情と向き合うことができたら、次は今に集中しましょう。そのときに着目するのは過去にとある出来事が発生したという事実です。 大前提として、過去に起きた事実は変えられないという現実と向き合いましょう。 では、何を考えるのかというと、過去に起きた苦しい出来事と同じ出来事が発生しないように対策を考えてみるということです。 あなたの心に残っている過去の出来事が苦しいものであり、それが原因で今に集中することができないのであれば、対策を考えます。 対策ができていれば同じ出来事を繰り返す可能性が低くなります。 まさに、失敗から学ぶという考え方です。

過去の失敗がなぜ発生したのかを考えてみましょう。 もしかすると、自分がきっかけではないこともあるかもしれません。 周りの環境やタイミング、色々な要素が絡み合って発生したことなのかもしれません。 当時の状況を思い出して、自分が避けるべき要素がなかったのかを考えてみることで、次はそれを避けるという選択肢を取ることができます。 自分にとって苦しいという気持ちがあった要素であれば、それを避けることは、誰にも否定されることではないです。 あなたの気持ちを大切にして、その出来事を避けましょう。 それが、過去のあなたから今のあなたへ贈られたプレゼントなのです。

過去に学び、今を生きる。我々人類が勝ち取ってきたとても大切な能力を使うときです。

未来は今の積み重ね

過去の未練を乗り越えることができました。しかし、未来には不安があって落ち着かない、そんな方も多いのではないかと思います。

大前提として、未来を予測することはできません。 さらに、未来が自分の思った通りに行くこともないでしょう。

未来は思ったとおりに行かないのであれば、希望を持つのものムダなのか?そんなことはありません。 なぜなら、未来は今の積み重ねでできていくものだからです。 まずは、今に集中をして未来は次の一歩の延長線上にあると考えましょう。 そのときに、大切になることは次の一歩をどの方向に向けて足を踏み出すのかということです。 もちろん自ら歩かなくても時は進みます、立ち止まったままでも、未来はやってくるのです。 しかし、今のあなたが立ち止まっているところは、あなたが臨んだ未来の延長線上にあるのでしょうか? もしもその未来に不安があったり、望んでいない未来だということであれば、あなたは自分の足で歩き始める必要があります。

未来を予測することは確かにできないのかもしれません。しかし、進む未来を決めることはできると思います。 あなたには進む道を選ぶ権利があります。道の先に何があるのかはわかりませんが、道を選ぶ権利があるのです。 自身の心が進みたいと思っている道を選んで歩き出してみませんか?

先ほど、過去の失敗の乗り越え方を記述しました。あなたは過去を乗り越えて未来につなげる力を得たのです。 あなたが進もうとしている未来そこにはきっと苦難も待ち構えているでしょう。 そんな時はこの本をもう一度開いて自分の心に向き合ってみてください。 そして、また一歩を歩き出してみましょう。

Footnotes

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/決断疲れ

  2. https://www.google.com/search?q=google+SRE+ポストモーテム

  3. 瞑想は、瞑想病と呼ばれるようなリスクがあります。ガチの瞑想は特に危険な為、プロの適切な指導の下やるべきです。素人が簡単に手を出すべきではありません。