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会社は選ぶもの。選ばれるものではない

会社は入る人が選ぶもの。会社に選んでもらうものではありません。その大前提を間違えると不幸になることがあります。当然会社に入るだけが選択肢ではありません。自分で会社をおこす、あるいは農業のように会社に属さない形で働く、フリーランスのような個人事業主になる。いずれも選択可能ですよね。

会社・仕事はたくさんある

今会社員な方は、どうして今の会社を選びましたか?少し考えてみましょう。

日本に限っていっても、会社は400万社1以上あると言われています。

大企業と呼ばれる会社が1.2万社、中小企業が420万社以上あるようです。

また、業種という切り口があります。製造業なのか、卸売業なのか、小売業なのか、サービス業なのか、などで分類されています。鉱業、運送業、など、統計やエージェントなどによって多少のズレはありますが、12とか18の区分になるようです。その会社がどういう仕事をして稼いでいるのか、という観点での分類です。

さらに、職種として、仕事の種類で区分することができます。営業職、経理職、人事職、開発職などがその具体例になります。転職などのエージェントとして有名なDUDAでは、15ほどに分類しているようです。https://doda.jp/kyujin/shokushu/ これは、**あなた(従業員)がどういう仕事をするか**という観点での分類と言えるでしょう。

したがって、420万社×15職種の選択肢があるという捉え方もできます。あるいは、業界や職種から先に選んだとして、15業種×15職種の選択肢があり、さらにその職がある会社が数十ないしは数百社あるということですから、少なく見積もっても数千の選択肢があるということになります。

いずれにせよ、選択肢は多いということが言いたくて、その中からどの会社に行くのかという選択をするのはあなたであるという大前提があります。

就活といえば採用面接により会社が学生を選ぶという側面ばかりが重視されがちですが、会社は選ぶものであって決して選ばれるものではありません。たくさんの選択肢の中から、特定の業界・職種、あるいは会社を選ぶのはあなたです。あなたが選んでくれなかった会社は、あなたと接点を持つことすらできません。選考のフェーズにすら進むことができません。したがって、新卒、転職に関わらず、会社あるいは働き方を選ぶのはあなたです。

もちろん、マッチングという側面もありますから、会社側から応募者が会社の目的にふさわしい人であるかという観点で選ぶという側面もあります。ですが星の数ほどある会社・職種の中であなたがその会社に選ばれなかったといって悲観する必要はありません。

よく言われることではありますが、その会社から落とされたからといってその人そのものが否定されたと考える必要は全くありません。

何を重要視するのかを決める

会社(あるいは仕事)を選ぶにあたって、自分にとって何が重要なのかを決めておくと、仕事選びの参考になるでしょう。

やりたい仕事、実現したいこと、会社をこう変えたい、社会を変えたい、お客(ターゲットとなる人)に価値を提供する、自分の成長・・・いずれも夢といっていいかもしれません。

給料を最優先にしても良いでしょう。あるいは、定時退社してその後の時間を確保することに全力注力するのも良いでしょう。その確認の仕方は別の節に譲りますが、一旦は何を優先するかを考えましょう。

なお、自分の中で何が重要なのかを決めるにあたって、一人でやってみるのも良いですが、1on1や壁打ちを行うのも良いでしょう。他の人にうまいこと引き出しもらう、あるいは説明するために整理されるといった効能があります。

会社をみる

重要なものがわかったら、会社を見に行きましょう。Webや会社のBlogなどがあればそれをみるのも良いですが、オフィスなどを見せてもらえると良いですね。工場があるなら工場見学をさせてもらえるよう依頼してみるのも良いでしょう。

陳腐な言葉では「OB訪問」なんて言われてしまいますが、実際を聞くチャンスとしてはかなり良いものでしょう。リクルーターなどの制度がある会社・大学であればそれを積極的に活用します。

なお、新卒の工場見学などで、大学OBが出てくるかは確認して良いポイントだと思っています。大企業の技術職限定かもしれませんが、工場見学とOB訪問が一度にできる良い機会です。他大学卒の人事担当者などは一般にいいことしか言いませんが、大学OBであれば比較的悪いことも正直に教えてくれるでしょう。特に技術系採用においては、技術職が出てくることは最低条件です。人事しか出てこないようであればその会社にNGフラグを立ててもいいかもしれません。もちろんいい会社かもしれませんので、それだけで判定するのは危険ですし、OBが出てくるからといって良い会社とは限らないのが悩ましいところです。

ただし、ここでも忘れてはいけないのは、大学OBといえど、会社側の人間であるということ。ポジショントークも含まれますし、悪いことは言うなと釘を刺されているかもしれません。就活においては全般的に、いいことは話半分、悪いことは倍にして聞く、といった、眉に唾をつけて臨むという心構えは万事において必要だと思います。

[column] 就活におけるマナー(棒)について

就活におけるマナーについては、様々な就活ノウハウ本・Webページにいろいろ書いてありますので、それを参考にしてみてください。といっても、就活エージェントの情報はポジショントークが多分に含まれますので、話半分で聞いておくのが良いでしょう。

例えば、OB訪問、面接等で誰かにアポをとって行く時、「遅刻しないように、10分前には着くようにしましょう」と書かれることがあります。遅刻をしない、それはそれで正しいのですが、遅刻厳禁を過大解釈して、30分前に来てしまうといったことが生じます。訪問を受ける側からすると、30分も前に来られても迷惑です。待たせるのも申し訳ないとか、受付の人にいらぬ気遣いをさせてしまうとか、そもそも前の用事があるなど、早すぎることは全く嬉しくありません。前の予定の途中で「XXさんお見えになってますが…」と言われるのは、はっきり言って迷惑です。むしろ、1−2分くらい遅れて来てくれた方がありがたかったりします。前の予定がジャストに終わって、自席に戻ってそろそろかな?と思ったら呼び出しがかかる。理想的じゃありませんか?

エージェントの拡大解釈、あるいはポジショントークを真に受けるのはNGです。そこに含まれる意図を汲み取り、アレンジするのが重要です。前の例で言えば、遅刻しないように、というのは正解で、10分前に着いて定刻まで待って呼び出すというのが正解であって、10分前に着いてすぐ呼び出す、などというのはそもそも約束の時間を違えるという意味でNGです。

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まとめ

就活、あるいは転職における会社の選び方について持論を述べてみました。新卒のリクルーターとして毎年10人弱、のべ100人前後の新卒学生さんと会っています。実務として感じているところを正直に述べてみました。とはいえ、筆者自身転職経験もなければ、何十社にエントリーしました、などといった経験があるわけでもありません。ですからこの章も話半分で聞いていただければ幸いです。

ただし、是非覚えて欲しいことは一つ。「会社は一つではない。あなたに合わなかったからといって悲観する必要は全くない」です。

[column] スーツを着る?フォーマットの決まった履歴書を書く?

あなたが入りたい会社では、スーツを着ることが当たり前ですか?フォーマットの決まった手書きの履歴書を書くことが当たり前ですか?髪を黒く染め直さないといけないですか?

お堅い会社に入りたい人は、髪を黒くきっちりして、髭を剃って、スーツを着て、フォーマットの決まった手書きの履歴書を書いて面接を受けに行けばいいと思います。

でも、それは現代において大切なことですか?

髪の毛を染めてることをとやかく言われる職場ばかりではないですよね?スーツしか許されないような職場ばかりではないですよね?

手書きの履歴書のような極めて非効率的なことをやるような職場ばかりではありません。大会社にどうしても入りたい人ならそうした方がいいかもしれませんが、現代において非効率的なことを未だにやっているような会社が、あなたの入りたい会社ですか?

入社前にそういう活動が必要ということは当然のことですが、入社したあともそれが必要ということです。温かみあふれる手書き、手作業、そういったものが当たり前になっている会社ですよね。将来性ありますか?ただでさえ電子化が遅れてる日本で、景気も良くなるという保証が無いどころか、先進国20の中で最も低い成長率の日本で、そういった非効率的な職場に魅力をほんとに感じますか?本来お金を儲けること、その会社のミッションを達成することが社員全員の目的であるはずです。でも、儀礼にかまけて、本業をおろそかにしてていいんですか?

もちろん、それがあなたにとっての最善であれば止めはしません。あなたの判断は尊重されるべきです。

さて、ここまで散々書いてしまいましたが、書きたいことは古い体質の企業をディスることが目的ではありません。

日本の履歴書・職務経歴書ではなく、CVとかレジュメと呼ばれるものを作って応募してみてもいいのではありませんか?それで落とされる会社は元からこれからの労働スタイルに合っていないということでフィルタリングしてみてもいいのではないでしょうか?

興味がある人は、CVとかレジュメについてひたすらぐぐって、一度書いてみてください。エンジニアやデザイナーの方ならポートフォリオは、下手な履歴書なんかよりもよほど効率的です。

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Footnotes

  1. 日本の中小企業 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chushoKigyouZentai9wari.pdf