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時間単価で考えよう

使えるお金(=可処分所得)を増やすためには、支出を減らすことは重要です。ですが可視化しづらい出費、費用もあります。

時間単価を考える

今バイトをしている人は時給を考えてみてください。今社会人な人は、月給を時給換算してみてください。

例えばコンビニバイトしているとします。コンビニの入り口に書いてありますね。あるいはバイトの給与明細に書いてあるやつを見るでもOKです。おっと、でもそれを直接今の時給だと思ったらダメです。まず、税金やその他引かれている分を引いて、実際にいくら手元に入ってくるのかで計算します。給与明細の支給額(あるいは振込額)が実際に入ってくる金額ですからこれを計算に用います。

勤務時間も給与明細に書いてあるので、これで割りたくなりますが、さらに、バイトに行くまで・帰るまでの移動時間を考えてみてください。いくらになりましたか?

時給1200円で働いているはずが、実際には1000円とか、あるいはもっと少なくなったりしていませんか?

学生でよくやる時給の高いバイトとして、家庭教師があるでしょう。確かに時給2千円とか、5千円とか、一見かなり高く見えますね。ですが、上記と同じ考え方をしてみましょう。バイト先=家庭教師先のお宅に行くまでにどれだけ時間かかりますか?片道30分かけて家庭教師先のお宅に行き、時給5千円で1時間教えて、30分かかって帰るとした場合を考えてみましょう。拘束時間のトータルは2時間になりますから、実質的な時給はいきなり提示時給の半分の2500円/時間になります。額面でこれなので、さらに税金やらなんやら引かれます。もっと言えば、週1コマしか取れなかった結果、その他の予定が入れづらいなどの制約は発生していませんか?

家庭教師がバイトとしてダメというわけではありませんが、お金を稼ぐ方法として果たして効率的か、という観点で少し考えてみると良いでしょう。

またいま社会人の方も、次のように考えて計算してみてください。手取り月給が20万だとします。拘束時間が8時〜18時の10時間だとしましょう。拘束時間は、とりあえず家を出る準備をして、家に着くまで、と考えます。月の稼働日が20日として、日給1万円、10時間拘束で割ると1000円/時間となります。

あれ?案外やっすいなぁ、と思いませんでしたか?給与明細の見方や税金の構造などは本書の別の章に含まれる可能性がありますので、そちらを参照ください。

月の支出を考える

次は、月の支出を考えてみましょう。ありきたりな話にはなりますが、家計簿をつけてみるのはとても良いことです。一度自分が何にお金を使っているのかを可視化してみましょう。家賃やケータイ・通信料、コンビニや自販機でのちょっと買い、あるいは交通費なども含めて一ヶ月か二ヶ月つけてみると、支出の規模や構造が見えてきます。

例えば交通費について考えてみます。最近では交通系ICカードが一般的になっていて、つど現金で払っている人は少数派でしょう。しかもそれがオートチャージになっていたり、買い物などにも使えたりするので、「交通費」という明確な区分を付けづらくなっているかもしれません。お財布からの現金の減少として見えませんしね。しかも交通費は必要経費であり、削ることは難しい費用ですから、つい無頓着になるかもしれません。ただし、この可視化は支出の全体感を把握するためのもので、後述するように、無理やり交通費を削れ、と言いたいわけではありませんよ。

それから、特に学生さんが支出としてぜひ意識して欲しい重要なものは、授業料です。国公立大学なら年約54万、私立なら80万+施設整備費等で15万の約100万円が平均値だそうです。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1399613.htm

入学金や教科書代やその他諸々、学校にかかる費用を合わせて年間100万円としましょうか。12で割ると月およそ8万5千円になりますね。これも毎月の支出として家計簿に入れておきましょう。

授業料は見えづらい支出かつ必要経費ですから無頓着になってしまうでしょう。このように、見えづらい支出も含めて一度家計簿につけて可視化するということをやってみましょう。

見えない支出を考慮する

使えるお金を増やすためには、収入を増やすか支出を減らす必要があります。この時、収入を増やす/支出を減らす選択を行うにあたって、時間単価も考慮をすることで取捨選択が適切になる場合があります。

家計簿に書き出せる費用は、支出として明記・算定が可能になります。ですが、本人の作業工数や時間という概念は可視化・費用化しづらく、つい無料と考えてしまいがちです。ですが先に述べたように自分の時間単価を気にしておくことで、可視化しやすくなります。

例えば、「10円安い卵を買いに行くのに、別のスーパーに行くか」「10分早く帰るためにバスを使うか」「30分歩いてタクシー代を節約するか」といった判断において役に立ちます。

卵を安く買えたので、10円を節約したと考えることができます。しかし、別の店に行くのに余計な時間がかかったかもしれません。ガソリン代もかかったかもしれませんね。あなたの時間単価が千円だったとしましょう。お店のはしごのために30分余計にかかったとしましょうか。

これを「10円節約するために500円分の時間を浪費した」と考えてみてください。いかがですか?この30分があったら何かできたかも?どうですか?お得感が一気に消えて、損した感、あるいはその時間で別の何かをすればよかった、と思いませんでしたか?

同様に、多少安いからといって、自分で手・足を動かすことが果たして最適解なのか、という観点で考えてみましょう。買い物について(多少高くても)ネットスーパーを使い届けてもらい、その分時間を有効活用するという観点も必要と考えます。

買い物という一つの観点でも、自分でやれば無料ですが時間はかかります。ネットスーパーのようにシステム化されている場合は比較的手数料が安価となっています。いわゆる買い物代行のようにシステム化が難しい場合は単価は上がるでしょう。もちろん買い物自体が気分転換や趣味である場合もありますから、一律に通販や代行で済ませようと言いたいわけではありません。

講義をサボってバイトする愚

大学へ行っている人、講義はどれくらい出ていますか?皆勤ですか?よいですね。もっとも気が乗らない日もあるでしょう。多少サボることは致し方ないと思います。

大学に行くということそのものについての是非はあるでしょう。しかし高等教育を受ける貴重な機会であることは間違いありません。上記のように、相当な費用を支払っています。バイトがすべて無駄であるとも言いませんが、それをみすみす小銭稼ぎに浪費してよいのか、と考えてみてください。

4年間で124単位が必要とのことです。授業1コマで2単位とすると、4年間で60~80コマ程度を取ることになります。4年間で均等に取るとして、年15~20コマになるでしょう。1コマ15週、90分の講義として、22.5時間になります。年間の講義時間の合計は450時間になります。年間100万円の授業料に対して、単純に割ると時間単価は2200円になります。差し引きしてよい数値かは微妙なところですが、講義を時給1000円のバイトでつぶすと、2200円-1000円/時間で1200円の赤字になります。講義の中で得られる知識と、バイトでの経験を天秤にかけてそれが1200円の価値があるか、という観点で少し考えてみるとよいのではないでしょうか。

単位を落とすのはまあ致し方ありません。単位落としまくった私があれこれいう資格はないかもしれません。

留年は避けたい

筆者は、1浪2留しています。結果としてその間にやりたかったことがあるのはあるのですが、ここでは留年のデメリットについて列挙しておきます。基本的には、留年はあまりメリットがない割にデメリットが多いです。

  1. 学費・生活費がかかる
  2. 就職の幅が狭まる
  3. 生涯年収が下がる

多少他にやりたいことがあっても、それは留年の理由にはなりませんね・・・大学さぼって別にやりたいことがある、という場合は、そのやりたいことが本当に留年するレベルでやりたいことなのか考えてみてください。きっぱり休学するというのも一つの手です。そういう踏ん切りをつけるのもなかなか難しいですが・・・

大学に行くのに気持ちが乗らないなどの理由の場合は、気軽に心療内科などに相談してみましょう。筆者の実体験から行くと、引きこもっていてもあまりよいことはありません。一応、大学はサボってたものの、部室には遊びに行ったり、バイトにはいったり…非定型うつ病とかいわれるやつの一形態だったのかもしれませんね...心療内科で軽快しました。

学費・生活費がかかる

これは、そのままの意味です。学費及び生活費はまるまる留年した分余計にかかります。上述の通り学費が年間ざっと100万という話をしましたが、家賃生活費もかかってきます。もろもろで月8万とすると、×12で100万近い額、ともするとそれ以上になるでしょう。年間200万前後が1年留年するごとに余計にかかってきます。

就職の幅が狭まる

会社によっては、留年生であるということが採用にあたってマイナスになることがあります。1浪くらいなら聞かれもしない、マイナスはないという場合は多いですが、留年は何故留年したのか?というところを聞かれることが多いでしょう。留年を気にしないという会社と、留年は採用しないという会社はありますが、留年している人しかとらないような会社はほとんどないので、そういう意味では会社の選択肢は狭まります。もちろん留年すること即悪というわけではありませんし、その分良い経験などができれば良いです。

生涯年収は下がる

日本の一般的な(あるいは典型的な)会社(特に大企業)においては、新卒で一括採用を行い、同期入社はある程度足並みをそろえて昇進し、それに応じて給料が上がっていきます。定年、あるいは役職定年は年齢で決まり、入社からの経過年数に応じて昇進する給与モデルを採用している会社は決して少なくありません。であるならば、浪人、留年している人は、実際に勤務可能な年数が減ります。学部卒で入社して22才から60才までの38年間働くところ、2浪したために24才入社となるとすると、36年間の勤務になります。そして、単純に2年分減るかといえば、最後の数年間の給与は初任給と比較するとかなり上昇しているでしょうから、その影響はかなり大きくなります。賃金カーブが変わるというわけではなく、そのままシフトする分、合計値が下がります。

もちろん、終身雇用が前提だとか、給料が上がり続けるなんてこのご時世に幸せな妄想ね、という向きもあるでしょう。さすがにそういう形態も徐々に減ってきてはいるでしょうが、そういう給与モデルである会社も歴然と存在します。終身雇用でなくても、給料が一生変わらないということは基本的にはありません。もし一生変わらないような会社であれば、それは会社を選び直したほうが良いでしょう。

浪人の是非

一方で、浪人はどうでしょう?

筆者は、基本的には大学にいった方が選択肢が広がり、いわゆる偏差値の高い大学の方が選択肢は広がると思っています。したがって、1年遅れるとしても、浪人してよい大学に入ることは意味があると思ってます。現役の時に全滅だったら浪人してもよい(というか、浪人しましょう)

悩ましいのは、現役の時に1つか2つ、滑り止めに受かったとして、そこに行くか、という観点です。例えば、地方出身の人が地元の私立と、旧帝の併願でやったうえで、地元私立に引っかかった場合を想定してください。受験したところが記念受験レベルであるならそのまま入ってもよいですが、地方から首都圏に出るとか、ネームバリューのある大学に入ることは、その後の人生の選択肢を増やすうえで非常に有利になります。このあたりの話は、大学・学歴に関する章により詳細に記載があるでしょう。給与だけで評価できるものではありませんが、1浪して良い大学に入ったことで生涯給与が数千万変わるとしたらどうでしょう?将来への投資といえるのではないでしょうか?ただし、そこにBetした結果、ただ単に時間を無駄にしただけに終わる可能性もありますので、そこはご注意を。

この章で言いたいのは、留年は時間の無駄になる可能性があるので是非避けたいが、その後の展開を広げるための浪人は可能なのではないか、ということです。

まとめ

自分の作業工数や時間は無料のリソースではありません。単価換算がベストな訳ではありませんが、比較的簡単にやりやすく、定量化もしやすい方法です。外注などにより時間を有効活用するなどに繋げることができるでしょう。

時間を有効活用するためにお金をかける、あるいは時間を使ってお金をセーブする。どちらも場合に応じて必要なことです。貴重な時間を浪費して小銭を拾う、逆に5分をケチって無駄金を払うなど、残念なことにならないような評価軸の考え方として活用いただければ幸いです。