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なぜ積み基板ができてしまうのか

大澤秀一 @ohsawa0515

あなたは今までに買った積み基板の個数を覚えていますでしょうか?私は数個程度ですが、数十個単位の方もいるかもしれません。買う前は「買ったら〇〇しよう」とワクワクしながら購入ボタンをポチったけれども、いざ手元に届いてしまうとあれこれ理由をつけてほとんど手つかずになってしまう方も少ないかと思います。本章ではなぜそうなってしまうのか、ありがちな原因について考えてみました。

作りたいものが明確になかった

ネット上で「Raspberry Piで〇〇してみた」という記事をよく見かけます。それを読んで自分もやってみたい!と思い、勢いで注文してみたものの、届いた頃にはその情熱がやや冷めてしまってそのまま流れてしまったパターンです。作りたいものがなく買ったからひとまず初期設定をしてLチカで満足してしまいそのまま箱に閉じ込めてしまうことがあります。

プログラミング言語を覚えたいという初心者に何をつくりたいのか、何を実現したいのかを明確にせよとアドバイスされることがあります。やりたいことを実現するために適したプログラミング言語が異なるからです。WebサイトならPHPやRuby、モバイルアプリならKotlinやSwift、ゲームならUnityと、目的に沿ったプログラミング言語を選ぶことで学習速度が違いますし、やりたいことなのでモチベーションが維持できます。

基板も同じことがいえます。例えば、観葉植物の自動水やり器をつくりたいとします。ArduinoとRaspberry Piのどちらを選んだ方がいいのか、土の水分を計測する水分センサーや水やりをするためのモーターやチューブなどが必要だというのがわかってきます。すでに同じことをやっている人がいるのであればネットで調べて制御するためのプログラムも見つけることができるかもしれません。

手に取る前にやりたかったこと、実現したかったことを今一度思い出してみるとよいのではないでしょうか。

時間がとれない

30代、40代になると家庭をもったり昇進したりと環境が変わっていきます。今までは自分のために使えていた時間が家族や他の人に費やすことが増えてきます。空いた時間があったとしても自身のスキルアップや趣味に時間をつかってしまうことで、なんとなくで買った基板に触れる時間がほとんど取れなくなってしまいます。

将来を見据えている方であれば、仕事に関することを勉強すれば収入の増加が見込めるので優先度は高くなりますし、昔から続けている趣味なら自分の世界に没頭してリフレッシュできます。昔から基板に触れていてまた没頭できるならいいのですが、やったことがない場合だと新しいことにチャレンジする心のハードルは高く見えてしまい、一歩を踏み出すのに躊躇してしまいがちです。

はじめの一歩は誰でも怖いもの。踏み出したその先には、自分で好きなもの、アイデアを形に変えていける楽しさを味わえるはずです。

うっかりボードを貰っちゃう

現在はコロナ禍による接触防止などの観点から行われていない様なのですが、コロナ以前の状況ですと、例えば(一社)組込みシステム技術協会 (JASA)が開催されているEmbedded Technologyというカンファレンスに以前参加した際、STマイクロエレクトロニクス社がブース出典されていまして、名刺と簡単なアンケートに答えると、無償でサンプルボードがもらえてしまう という状況でした。(半導体不足が問題となっている2021年現在となってはSTM32のボードも貴重なのですが…)

うっかりボードを貰ってしまうと、積み基板が増えてしまいますね。

環境が整わない

初めて基板を買ってきても物理的環境がないと動かすことができません。Raspberry Piだとイメージを書き込むためのSDカードやインターネット接続するためのルータ、外部ディスプレイ、キーボード、マウス、ACアダプター、PCが最低限必要です。

また、電子工作をやるなら作業するための机やスペースが必要です。ブレッドボードを使えばはんだ付けなしでできるので少しぐらいなら狭くても我慢できますが、机が狭いとパーツを紛失したりと何かと管理が面倒です。私の話ですが現居に引っ越す前は狭い2LDKのマンションに住んでいました。親戚から譲ってもらったテレビ台を部屋の隅に置いたところが私のスペースでしたが、子どもが産まれておむつやおもちゃを置くためにそのスペースは無くなってしまいました。子どもはなんでも口に入れてしまうので小さいパーツなんてそこら辺に置いておくわけにはいきません。家で仕事をするときはリビングの机か脱衣所でノートPCを広げていました。そのような環境下では電子工作をするのはなかなかハードルが高かったように思います。

引っ越したことで自分の部屋をもつことができ問題は解消されました。いかにして作業に没頭できる環境を作るのかを考えることが大切です。

まとめ

私自身が基板を積んでいるので偉そうにいえる立場ではありませんが、自戒をこめて原因とちょっとした解決案を出してみました。少しでも共感していただけると幸いです。